【1】「原作に忠実」逆手に取った巧みな構成。
シリーズ構成のお話しその1。
「結構原作に忠実」。
アニメハルヒを原作既読の方々そう思った方は少なくないのではないか。
ハルヒ原作と言えば基本、主人公(?)キョンの一人称、というかひたすら独白にて
物語が展開されるわけだけれども、やはりここをどのようにアニメで表現するかという点が
この作品のひとつの可否のポイントだったのではないかと。
キョンの独白は単なるナレーションではなく、一部を彼のぼやきやつぶやきとして
向かい合ったキャラがそれをキョンの台詞として拾うこともしばしば。
しかもキョンだけでなく、みくるちゃんも長門も古泉(彼は特に)も専門分野になると
やたらぺらぺらと饒舌になるわけで、そうなるとどうしても喋り芝居*1ばかりでは
説法臭いアニメになってしまうのは明らかであった。
さて、スタッフ達はどうしたかというと何と腕まくり上等ガチンコで挑んできた。
つまりアニメ芝居の上にひたすらキョンの独白を重ねてきたのだ。
キョンのNA兼ぼやきもしらばっくれてちゃんと拾う。ながいながーい台詞も
ぜーんぶ中の人(杉田智和氏)にちゃんと喋らせた。「忠実」に。
結果、アニメと原作によくある「違和感」がこのアニメにはさほど感じないのではないか。
それどころか、原作が長門の無表情から感情を読みとる以外基本鈍感のキョンが
見極めれていない(主にハルヒの)表情というのがカメラにてやっと判るという原作だけではむしろ書かれていない(書けない)点を作り出しているのである。
*1:製作サイドとしては口パクなのでありがたいのだが