時をかける少女
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/index.php
もはや見るまでもなく、今年の夏のアニメ映画で一番の作品。
今年は確実にゲドでもなく、ブレイブでもなく「時かけ」です。
29日、土曜日のラスト上映に行ってきました。
40分前に行ったら整理番号210番台…
東京でもテアトル新宿の1館しかやってないのでやばやばでした*1。ぎりぎりで椅子ゲット。
<以下は少々ネタ晴れを含みます…ただ、ここを見て映画館に行くのもまた一興。>
で、感想ですが。
最高。久々に一言こう言い切れる作品です。
タイムスリップものって何かと理屈こねてやらないと
思わず突っ込んだりとか違和感を感じたりするんですが、
まったくそういうことを気にせずに見ることができる。これはすごいことで。
ものすごくどうでもいいことでタイムリープを繰り返す真琴を「ばかだなぁ」とか言って
笑いながら見れます。
(最近の映画で言うとサマータイムマシーンブルースもそんな感じでしたが)
魔女おばさんこと芳山和子が「私もあったのよ」と微妙に過去を語るのもまたよし。
監督が細田守さんということもあって、BGONLYで青空(雲)を効果的に見せたり、
細田流お約束で道路標識でオチをつけてみたり(おじゃ魔女キターでした)、
タイムリープで同じ時系列を何度も反復するため、同じもしくは似たような兼用カットが
これでもかというくらい使い回される演出は特におもしろかったです。爆笑もの。
(このあたりの兼用カット、ものすごい枚数だろうなぁと考えるのが業界の中の人w)
あと、こういう映画をおいらが今まで見たことなかっただけかもですが、
カットでキャラクターが奥を向いているレイアウトで、
そのキャラの後ろから声がかかるとき(つまり観客席の方向からキャラに声がかかる)、
観客席の後ろ側のスピーカーからのみ音声が聞こえてくるのとか立体感を作ってました。
キャラ立ちも巧いですねぇ。
真琴がほんとよく動く動く。よくこける。よくぶつかる。
思いっきり笑って、おもいっきり泣く。
真琴はほとんど動きでキャラクターを作ってました。
でも「真琴の脳挫傷を心配する会」を発足したい気分です。
声優を使わなかったのが逆に若々しくて好印象ですね。
あと妹萌え。果穂ちゃん萌え。
作画。さすがマッドなので言うことなしなのですが、一つだけ。
作監補佐で藤田しげるさんがやってたであろうところ貞本キャラでなかったのにかなり笑えました
(藤田さんすみません)。どう見ても浦沢キャラです本当に(ry*2。
ここより下は完全にネタバレ(映画未見の人は見ない方がいいです)
↓ここから超ネタバレ↓
とにかく真琴が走って走って走り回るわけですが、
演出なのかはたまた実際の設定もそうなのか分かりませんけれど
お気づきの通り、遠くに跳ぼうと思っているほど真琴の助走距離が長く、
そして跳躍は高くなっているんですね。
ラストシーン。時間が巻き戻って最後の一回タイムリープできることに気づいて
最後の最後のタイムリープの助走。
そしてその後、グラウンドで待つ千昭に向かって全力で(もはや助走ではなく)走る真琴。
もはや千昭への距離は遡った時間以上に遠く儚いという演出。
ベタながらもブラボーと言いようがない見事さでした。
↑ここまで超ネタバレ↑
まとめとしてここ数年で稀に見る傑作と位置づけていいんではないでしょうか。
懐かしさとフレッシュさが非常に印象的で、大人も子供も素人も玄人も業界人も(w)楽しめる
作品になってます。上映館数がそんなに多くないですが、一応全国放映ですので
遠路でも決して後悔はしない一作となっていますヨ。
*8/1追記:この映画を見たとき哲学堂あたりがモデルなのかなと思ったんですが、どうなんでしょう?
グラウンドあるし。ということは駅は新井薬師?中井?…いや、新井薬師じゃないか。