外国人公務員管理職問題

さて、今日はずいぶんと長いブログになると思います。参照記事も(何せ意見が違う記事がたくさんありますから)多いので、読むのにも時間がかかってしまうと思われるので、頑張って(興味がある方は)ついて来てください。旅行に行ってしまってたため、ちょっと前の記事になってしまうのですが。



都国籍条項訴訟:管理職受験拒否は合憲 最高裁が逆転判決



簡単に説明すると、東京都の公務員(保険師さん)で韓国人の父、日本人の母で韓国に籍を持つ鄭香均さんが日本国籍でないことを理由に都の管理職試験受験を拒否され、訴訟を起こした件で、それの最高裁判決にて


管理職試験受験拒否は法の下の平等を違反しているとは言えない」


と言う判決が出されたのです。韓国国籍在日韓国人2世という事になる鄭さんはこれで10年戦い続けた結果、管理職試験を受けることが出来なくなってしまいました。


この判決が出た後の鄭さんのコメント

涙も出ないような情けない判決
涙も出ません、むしろ笑いが先に来ました
もう呆れ果ててここまで酷いとは思いませんでした
憲法判断一つすらしない 世界中に言いたい、日本には来るなと
日本で働かないほうがいい、と外国籍の人に言いたい
日本で働くということは、ロボットとなることです
人間として扱われない。涙も出ない、笑いが先に来る哀れな国だ


各新聞の社説比較(+++『社会保障ニュース』編集室+++本部さんより)



…誤解を極力ないようにするように先に事実を書きました。



そして、様々な背景。

・ 何故日本国籍がない人は管理職になれないのか?


実は日本国籍を持たない公務員は管理職になれないと定めた法律はないそうです。
半世紀前の政府の見解として、「重大な施策に携わる公務員に国籍が必要なのは当然の法理」
…というのがあるだけ。


つまり焦点はこれが憲法で言う「法の下の平等」に反するか。

もっと砕けた感じで言うと、人種差別じゃねーの?ということになります。

受験拒否は「差別」か「区別」か。


最高裁はこれを「区別」と判断したわけです。



では、外国の方は日本の公務員の管理職になれないのか?
答えはノー。日本に帰化すればおそらく何の問題もなく試験を受けることが出来るでしょう(最も当然帰化されていれば『日本人』ですが)。実際、管理職どころか参議院になっている方(ツルネンさん)もいますから。
ただ、他の国と比べると、他の国は公務員になることすら出来ないわけで、
日本の管理職以外なら公務員になれるという(法律はないので見解ですが)のはむしろ稀ではあるのです。


鄭さんは日本国籍ではありません。
何故、帰化しないのか。鄭さんなりの理由があって出来ないorしたくないのでしょう。
(理由は概ね分かる気がしますが、その辺りは問題ではないと思うので触れません)
いずれにしろMon達日本人が「すれば〜?」で出来るほど本人にとっては簡単ではないと思います。




この辺りの事を確認してここで(ようやくですが)、Monの意見を述べさせてもらうと


Monは今回の最高裁の判決を支持します。


今回の焦点のひとつに日本人としてのアイデンティティがあると思うのです。




先ほど↑で帰化について「すれば〜というほど当人にとって簡単ではない」と言いました。
帰化をすればいいじゃない。それは確かに無責任な考え方でしょう。
なら逆に帰化をしなくてもよその国の役職に就けてもいいじゃないと言うのも
無責任で甘い考えではないですか?


先ほども言ったとおり、他国の公務員職制度は日本より遙かに厳しいです。
公務員になれることの方が稀です。



日本という国を本当に愛してくれる人であれば帰化してくれると思うから。
帰化のリスクが大きければこそそれはある意味試験だと思うのです。



どうしてもそれでしか今はその人の国を思う気持ちを測ることが出来ない。



なぜならどんなにその国を愛していても、思っていたとしても国民と外国人の差は

差別ではなく区別だから。

だからこそ、帰化という制度がある。つまり

  • 本当にこの国が好きですか?
  • この国の憲法、法律に殉ずることが出来ますか?(これは在日外国人もしかりだが)
  • 出生した国とこの国、どちらか選べと言う選択を迫られた時この国を選べますか?

…極端だとは思うけど、帰化するってこういう事を言っているのだと思う。
いやなら別にその覚悟がない人は帰化しなければいいだけの話。


本当はそれだけの愛国心国へのアイデンティティがあってしかるべきだと。


それぞれの国で習慣やならわしがある。
特色と言っても不自然ではない性格の特色もあるし、宗教もある。
当然だけど全ての人がその行為をする権利があって、尊重されるべき。


もし、それ諸々が違う人が公務員になったとして。
問題がなければいいが、アイデンティティ云々で不都合が起きた時どうすればいいのか?
公務の妨げになるからそれを止めてくれ、という…これは立派な違憲ではないのか?


帰化というのは「ここは日本なのだから郷に入りては郷に従ってくださいね?」
これを問うためっていう意味でも重要なんです。



Monのこの考え方は最終的にはグローバルに、民族とかそう言う区別すらなくなった真の国際化というのが本当の理想である…てのを根底にした発言だということを付記しておきます。

そんな世界には何が必要か。それは今某国が押し進めているようなアイデンティティの統一化ではなく、それぞれの国や地域のアイデンティティの尊重だと思うのです。
それは決してどこかのアイデンティティを我慢させるとかそう言う考えは全く以て
あり得ない。



ただ、残念ながらそう言った状況には世界はほど遠く、何より日本は特に他国より良い意味でも悪い意味でもアイデンティティが低いと言わざるを得ない。ろくに国歌を皆が皆、面と向かって前を向いて歌えない国が謳うグローバル論は説得力がないのです。

この件に関しては日本は先端をまだ進めないし進まない方がいいのかも知れない。




話が微妙にそれてしまったけど、彼女が最高裁判決後に言った言葉をもう一度
コピペさせてもらいます。

涙も出ないような情けない判決
涙も出ません、むしろ笑いが先に来ました
もう呆れ果ててここまで酷いとは思いませんでした
憲法判断一つすらしない 世界中に言いたい、日本には来るなと
日本で働かないほうがいい、と外国籍の人に言いたい
日本で働くということは、ロボットとなることです
人間として扱われない。涙も出ない、笑いが先に来る哀れな国だ


後付のようで申し訳ないが、今見つけたブログ、
(札幌から ニュースの現場で考えること さんより)

現実には外国人を管理職に登用している自治体はあるそうです。法律もないのですから全く問題ではありません。逆に管理人のmasayuki_100さんの仰るとおり、今回の判決

上記を確認した形となります。…と言うことは今後この動きを禁止する法律が出来ようとするならそれは違憲に当たると言うことを認めたとみて…いいのかな?

そう言う意味ではこの判決時間がかかっても意味があったものなのかもしれない。日本人のためにも、外国人のためにも。


しかし



日本に来るな。

哀れな国だ。


判決後で感情的であったとはいえ、こう思わざるを得ません。


ああ、彼女はどんなに長く日本でいても外国人だったんだな、と。



はからずとはいえ、少なくともこういう発言をする彼女個人を公務員管理職として日本人は認めないだろう、ということを最高裁は判断することになったのは皮肉です。